アルツハイマー型認知症の新薬レケンビについて
2024年03月11日
当院では、アルツハイマー型認知症の新薬レケンビ(一般名レカネマブ)の取り扱いを開始しました。
1. レカネマブについて
一般名レカネマブは「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度認知症の進行抑制」を目的として、2023年12月下旬に、発売された新薬です。アルツハイマー病の進行を抑制するという点で本薬剤に対する期待は大きく、安全に使用していくためには注意も必要となるため、当院認知症疾患医療センターでは、受診された方の鑑別診断をこれまで以上に慎重に行い、レカネマブ使用の対象となりそうかどうか見極めて参ります。
※本薬剤はアルツハイマー病の根治を目的とした薬ではないことをご理解ください。
2. 治療対象
軽度のアルツハイマー病の方、アルツハイマー病による軽度認知障害の方
※無症状の方は治療対象になりません。
本剤の投与の有効性が期待できる症状であるかどうか、投与前に検査を受けていただきます。本剤の有効性が期待できない病状である場合や、禁忌にあたる既往歴がある場合は投与をお断りする場合があります。
3. 治療薬投与スケジュール
- 初診日は診察と検査予約です。投与開始は全ての検査を総合的に判断した後になります。
- 1回の投与は約1時間かかる点滴治療です。
- その後、2週間に1回外来での投与を行います。
- 4回目投与後に頭部MRI検査を実施します。その後も定期的に評価検査を行います。
- 最大の投与期間は原則として18か月まで、投与回数は36回になります。
4.副作用
使い始めの初期に、注射したときに頭痛、寒気、発熱、吐き気などが現れることがあります。また、特に使い始めて数ヶ月以内に、脳が腫れたり、脳に少量の出血が生じたりするなどの報告があります。
5. 費用
本剤の投与は医療保険が適用されます。
高額医療費制度があります。
6.お問合せ
基幹型認知症疾患医療センター
TEL:0853-20-2630